大判例

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神戸地方裁判所洲本支部 事件番号不詳 判決

本籍並住居

兵庫県津名郡由良町由良組一三七一番地

テグス製造販売業

合田德一

当五十年

本籍並住居

同所 同番地

テグス其の他の物品仲介業

合田義孝

当二十九年

右の者等に対する所得税法並増加所得税法違反被告事件について当裁判所は検察官辻内良隆の立会で審理を遂げ左の通り判決する。

主文

被告人等を増加所得税法違反の罪につき各罰金弍万円に所得税法違反の罪につき各罰金拾万円に処する。

右各罰金を完納することができないときは金五百円を一日に換算した期間被告人等を各労役場に留置する。

理由

被告人等は親子の間柄にあつて予て被告人合田德一は同被告人肩書住居に於てテグス製造販売業を営み被告人合田義孝は同所に於て父に当る被告人合田德一と同居しテグス其の他の物品仲介業を営んできたものであるが

第一  被告人等は昭和二十一年度に物品売上所得金額として合計金四万八千百二十五円四十銭の所得があつたに拘らず共謀の上之が増加所得税の納付につき詐僞其の他の不正行為によつて増加所得税を免れんことを企て増加所得税の申告期限である昭和二十二年一月三十一日まで該当洲本税務署に所得の申告を為さず同年七月上旬頃同署に於て被告人合田德一に対する所得の決定を為すや同被告人は同年七月十五日洲本税務署に於て同署收税係員に対し昭和二十一年度に何等所得がなかつた旨虚構のことを申告し因つて被告人等は同年度の前記所得金額から法定控除金額を控除した所得金三万八千百二十五円四十銭に対する金一万三千二百四十円の増加所得税を免れ

第二  被告人等は昭和二十二年度に物品売上及不動産讓渡の所得金額として合計金十四万七十円四十三銭の所得があつたに拘らず共謀の上所得税の納付につき前同様の方法を以て所得税を免れんことを企て所得確定申告期限である昭和二十三年一月三十一日まで該当洲本税務署に所得の申告を為さず被告人合田德一は昭和二十三年四月七日洲本税務署に於て同署收税係員に対し昭和二十二年度に同被告人には何等右の如き所得がなかつた旨虚構のことを申告し因つて被告人等は同年度の前記所得金額から法定控除金額を控除した金額に対する金六万七千七百三十三円の所得税を免れ

たものである。

右事実中被告人等が詐僞其の他の不正行為を為し増加所得税又は所得税を免れんことを共謀した点を除き其の他の点は

(一)  被告人等が判示の方法を以て増加所得税又は所得税を免れんことを共謀したこと並被告人合田德一が判示所得の申告をしなかつた点を除き被告人等の当公廷に於ける判示関係部分同旨の各供述

(二)  証人高橋淸文の当公廷に於ける洲本税務署が被告人等の昭和二十一年度の増加所得税及昭和二十二年度の所得税を調査するに到つたこと並調査の結果判示に照応する被告人等の判示各所得税を免れたことを発見した顛末に関する供述

(三)  昭和二十二年七月十五日洲本税務署受付合田德一の大阪財務局長宛の増加所得税に対する訴願書(証第五号)中の被告人合田德一は昭和二十一年度に何等所得がなかつた旨の記載

(四)  昭和二十三年四月七日洲本税務署受付合田德一の大阪財務局長宛の昭和二十二年度分所得税更正決定審査請求書(証第七号)中の被告人合田德一は昭和二十二年度に同被告人には判示の如き所得がなかつた旨の記載

(五)  金銭出納簿(証第十、十一号)の各現存

に徴して之を認め

被告人等が詐僞其の他の不正行為を為し増加所得税又は所得税を免れんことを共謀した点は

(1)  前段認定の事実

(2)  昭和二十三年十一月十一日附洲本税務署收税官吏太田博彦作成の合田德一に対する顛末書(証第二号)中の被告人合田德一が昭和二十三年十一月十一日收税官吏太田博彦の取調を受けた際金銭出納簿に基いて極めて詳細に被告人合田義孝の昭和二十一年度昭和二十二年度の諸物品及テグス売上金額を説明した旨の記載

(3)  昭和二十三年十二月 日附洲本税務署收税官吏太田博彦外一名作成の合田義孝に対する聽取書(証第三号)中の被告人合田義孝は右太田博彦外一名の質問に対し昭和二十一年度昭和二十二年度の物品売上金額に付被告人合田德一が述べた通り物品の売上をなし利を図つたと答えた旨の記載

に徴して之を認めることができるから以上を綜合すると判示事実は其の証明が十分である。

法律に照すと被告人等の判示所為中増加所得税法違反の点は増加所得税法第十一條第一項刑法第六十條に該当するから其の所定刑中罰金刑を選択し其の所定罰金額の範囲内で同法違反の罪につき被告人等を各罰金二万円に処する所得税法違反の点は所得税法第六十九條第一項第二十六條第一項第一号刑法第六十條に該当するから其の所定刑中罰金刑を選択し其の所定罰金額の範囲内で同法違反の罪につき被告人等を各罰金十万円に処する。被告人等が右罰金を完納することができないときは刑法第十八條に則つて金五百円を一日に換算した期間被告人等を各労役場に留置する。

仍て主文の如く判決する。

(裁判官 北條新次郞)

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